『薬剤関連顎骨壊死の病態と管理:顎骨壊死検討委員会ポジションペーパー2023』に引用されました
医療法人縁空仁科 やけやま歯科医院 院長 國原崇洋の研究論文
「Incidence and trend of antiresorptive agent-related osteonecrosis of the jaw from 2016 to 2020 in Kure, Japan」(Osteoporosis International掲載)が、
2023年に発表された「薬剤関連顎骨壊死の病態と管理:顎骨壊死検討委員会ポジションペーパー2023」(日本口腔外科学会ほか6学会合同)に引用文献No.76として採用されました。
論文とポジションペーパーの概要
このポジションペーパー(PP2023)は、日本における薬剤関連顎骨壊死(MRONJ: Medication-Related Osteonecrosis of the Jaw)の最新の知見と治療指針を総合的にまとめたもので、全国の医療・歯科・薬学分野の専門家が参画した日本における標準的な臨床ガイドラインです。
國原院長の論文は、国内で初めて地域規模でMRONJの発生率と動向を科学的に明らかにした疫学研究として、この指針の「発症頻度」に関する項目(第Ⅳ章)において引用されています 。
國原論文の主要成果
國原院長らは、2016〜2020年の5年間、広島県呉市を対象に、骨吸収抑制薬(ビスホスホネート製剤・デノスマブ)による顎骨壊死の発生率を調査しました。
その結果、
- 高用量薬剤(がん治療で使用)では、一般人口の約420倍
- 低用量薬剤(骨粗鬆症治療で使用)では、一般人口の約24倍 という極めて高い発症リスクが明らかになりました。
この調査は、行政・医療機関・歯科医院が連携して構築した「Kure DREAMS」登録システムを基盤として行われ、医科歯科連携による副作用予防モデルの成功例として国内外で高く評価されています 。
PP2023での位置づけ
ポジションペーパー2023では、日本国内外の多数の研究を比較・検討したうえで、呉市での本研究を「地域住民ベースでのMRONJ実態調査」として重要なデータとして引用。
日本の臨床現場における発症率評価とリスク認識を再構築する一助となっています。
特に、
- 「高用量ゾレドロン酸投与患者の年間発症率:約1,600人/10万人あたり」
- 「低用量投与患者の年間発症率:約130人/10万人あたり」 という具体的な数値は、今後のリスク説明・予防策立案における貴重なエビデンスとして位置づけられました。
院長コメント
「地域医療の現場で得られた臨床データが、全国的な治療指針の形成に貢献できたことを大変光栄に思います。今後も、医科・歯科・薬学・行政が連携して副作用を未然に防ぐ仕組みを構築し、安全で持続可能な薬物療法を支えていきたいと考えています。」
— やけやま歯科医院 院長 國原崇洋
参考情報
- 論文:Kunihara T et al. Osteoporosis International, 2023
- 引用文献:『薬剤関連顎骨壊死の病態と管理:顎骨壊死検討委員会ポジションペーパー2023』 日本口腔外科学会ほか6学会合同
- 引用番号:No.76
この成果は、やけやま歯科医院が掲げる「地域医療に根ざしたエビデンスの創出」と「医科歯科連携による全身の健康支援」という理念を具体的に体現するものです。
今後も私たちは、臨床と研究の両面から、地域の皆さまの健康を守るための科学的・実践的な取り組みを続けてまいります。